【2027年1月から】源泉徴収税額表が変わる:何が変わるかと、1月の給与計算の前に確かめること
結論
2027年1月1日以後に支払う給与・賞与は「令和9年分 源泉徴収税額表」で計算するので、末締め翌月払いの会社は2026年12月分の給与(2027年1月に支払う分)から新しい表に切り替える。
担当者がやることは3つです。
- 給与ソフトが令和9年分に変わったかを、国税庁の設例と同じ条件で確かめる
- 令和9年分の扶養控除等申告書で、扶養の人数を入れる
- 1月の期限(1月12日・1月20日・1月31日・2月1日)を、12月のうちに予定に入れる
この記事の数字は、すべて国税庁の資料に載っているものです。自分で税額を計算して載せることはしていません。個別の従業員の税額は、国税庁の税額表で引いてください。
この記事が役に立つ人
- 従業員10人前後の会社で、給与計算と年末調整を一人で担当している人
- Excelや、自分のパソコンに入れた給与ソフトで計算していて、税額表を自分で入れ替える人
- 末締め翌月払いで、12月分の給与をどちらの表で計算するか迷っている人
令和9年分の扶養控除等申告書の配り方と回収は 令和9年分の扶養控除等申告書の変更点 に、10月〜1月の年末調整全体の順番は 一人で担当する年末調整2026 にまとめています。この記事は 1月の給与 に絞ります。
何が変わるか(国税庁の資料から)
| 変わること | 中身 | 出典 |
|---|---|---|
| 税額表の税額 | 基礎控除の引上げと、給与所得控除の最低保障額の引上げ(令和8・9年分は65万円→74万円)に伴い、令和9年分以後の源泉徴収税額表が改正された | 源泉所得税の改正のあらまし(令和8年4月・PDF) 1ページ |
| 扶養親族等の数え方の線 | 税額表の甲欄で数える「扶養親族等」のうち、控除対象扶養親族・同一生計配偶者の所得の線が58万円以下→62万円以下になった。源泉控除対象配偶者(95万円以下)と、特定親族のうち源泉控除対象親族(100万円以下)の線は変わらない | 令和9年分 源泉徴収税額表(PDF) 19〜20ページ「税額表の使い方」(令和8年分の税額表の同じページと比べた) |
| 防衛特別所得税の開始 | 令和9年1月1日以後に生ずる所得から、所得税の1%を併せて源泉徴収する。復興特別所得税は2.1%→1.1%に下がり、期間が令和29年12月31日まで延びた。合計の率は2.1%で変わらず、源泉徴収税額の計算方法に変更はない | 同あらまし 5・8ページ |
| 税額表に含まれるもの | 令和9年分の税額表の税額には、防衛特別所得税と復興特別所得税の分が含まれている。1%を別に計算して足す必要はない | 同税額表の表紙、防衛特別所得税及び復興特別所得税(源泉徴収関係)Q&A(PDF) Q7 |
| 納付書 | 3つの税の合計を、1枚の所得税徴収高計算書(納付書)で納める。手元にある「源泉所得税及び復興特別所得税」と印字された納付書も、書き直さずにそのまま使ってよい | 同Q&A Q4・Q15 |
国税庁の設例で見る、表の違い
令和8年分と令和9年分の税額表のパンフレットには、同じ条件の設例が載っています。両方から、そのまま写しました。
| 国税庁の設例・表の行 | 令和8年分の表 | 令和9年分の表 |
|---|---|---|
| 月額表の甲欄:支給額420,000円、社会保険料等63,400円(控除後356,600円)、扶養親族等2人 | 7,020円 | 6,860円 |
| 月額表の甲欄で、税額が0円になる行(社会保険料等を引いた後の額) | 105,000円未満 | 111,000円未満 |
| 賞与の算出率の表の甲欄・扶養親族等2人で、率が2.042%になる行(前月の給与の、社会保険料等を引いた後の額) | 143千円以上276千円未満 | 147千円以上279千円未満 |
出典:令和9年分 源泉徴収税額表(PDF) 1・15・21〜22ページ、令和8年分 源泉徴収税額表(PDF) の同じ箇所
この表は「表が変わった」ことを見るためのものです。額の差は、支給額や扶養の人数が違えば変わります。自社の従業員の額は、国税庁の 令和9年分 源泉徴収税額表(PDFとExcelがあります)で引いてください。
どちらの表を使うか:支払う日で決まる
国税庁は、令和9年1月1日以後に支払うべき給与は令和9年分の税額表で計算するよう案内しています(令和8年度税制改正(基礎控除の引上げ等関係)Q&A(PDF) Q4-1)。防衛特別所得税のQ&AのQ7でも、「必ずその年分の源泉徴収税額表を使用する」ように注意しています。
10人規模の会社に多い締め日と支払日で分けると、次のようになります。
| 給与の締め・支払 | 2026年12月分の給与を払う日 | 使う表 | どの年の年末調整に入るか |
|---|---|---|---|
| 当月払い(例:15日締め・25日払い) | 2026年12月 | 令和8年分 | 2026年分 |
| 翌月払い(例:末締め・翌月25日払い) | 2027年1月 | 令和9年分 | 2027年分 |
国税庁は、年末調整の対象は その年中に支払の確定した給与 で、支給日が決まっている給与はその支給日に確定するとしています(No.2668 年末調整の対象となる給与)。翌年1月に支給する12月分の給与は、翌年の年末調整に入ります。翌月払いの会社の2026年の年末調整は、2026年12月に払う給与(11月分) で行うことになります。
賞与も同じ考え方です。2027年1月以後に払う賞与は、令和9年分の「賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表」で計算します。
給与ソフトの確かめ方(クラウドの場合)
クラウドの給与ソフトは、提供元が税額表を更新するのがふつうです。それでも、1月の最初の給与を確定する前に、次の4つを確かめます。
- お知らせで「令和9年分の源泉徴収税額表」への対応を確かめる。 いつ反映されるか、自動か、何か操作が要るか
- 1月に払う給与の支給日が、2027年の日付になっているか。 表は支払う日で決まるので、支給日の設定を見ます
- ダミーの従業員で、国税庁の設例を計算してみる。 支給額420,000円、社会保険料等63,400円、扶養親族等2人(源泉控除対象配偶者あり・源泉控除対象親族1人)で、税額表どおりなら6,860円です。ソフトが「電算機計算の特例」(国税庁が認める、式で計算する方法)を使っている場合は、税額表の額と一致しないことがあります。どちらの方法で計算しているかを設定で確かめます
- 扶養の人数を、令和9年分の扶養控除等申告書の内容に更新する。 令和8年分の税額表では58万円だった線が、令和9年分の税額表では62万円になっています(令和8年12月1日以後に払う給与と12月の年末調整から、すでに62万円で数えています。国税庁のQ&A Q1-1)。令和9年分の申告書で扶養の人数が増える従業員もいます
国税庁の設例は、実在の従業員のデータを使わずに試せるので、ソフトの更新を確かめるのに向いています。本番の従業員で試す必要はありません。
私は年末調整をマネーフォワード クラウドで行い、つまずいたのは外国人の従業員と扶養の処理でした。
Excelや自分のパソコンの給与ソフトで計算している場合
税額表を自分で入れ替えるのは、この場合です。
- 月額表で引いている → 国税庁の 令和9年分 源泉徴収税額表 にある Excel版の月額表 を、新しいシートとして取り込みます。令和8年分の表は上書きせず、別のシートに残します(2026年中に払った給与を見直すときに使います)
- 式(電算機計算の特例)で計算している → 式の数字を、令和9年分の別表(令和8年財務省告示第128号。税額表のPDFの18ページ)の数字に差し替えます
- 賞与を払う会社 → 賞与の算出率の表も入れ替えます
- どちらの場合も、上の「ダミーの従業員で国税庁の設例を計算する」で確かめます
インストール型の給与ソフトなら、提供元の更新プログラムが出ているかを確かめます。
毎年この入れ替えをするなら、クラウドの給与ソフトに移すのも一つの方法です。1月は切り替えやすい時期です。年の途中で切り替えると、年末調整のために1月からの累計を新しいソフトに入れる必要がありますが、1月の最初の給与から新しいソフトにすれば、その年の累計を持ち込まずに済みます。累計の考え方は 給与計算ソフトを年の途中で切り替えるときの、年末調整への影響 にまとめています。
1月の源泉所得税の納付
| 納めるもの | 納期限 | メモ |
|---|---|---|
| 2026年12月に払った給与の源泉所得税(年末調整の精算を含む) | 2027-01-12(火) | 10日が日曜、11日が祝日(成人の日)のため、休日明けの12日 |
| 納期の特例を受けている場合の、2026年7〜12月分 | 2027-01-20(水) | 納期の特例は、給与の支給人員が常時10人未満の会社が申請できる |
| 2027年1月に払った給与の源泉所得税 | 2027-02-10(水) | 納期の特例を受けていれば、1〜6月分をまとめて7月10日(2027年は10日が土曜のため、2027-07-12(月)) |
納期限の決まりと、休日なら休日明けになることは税額表のパンフレットの表紙に、納期の特例の要件は No.2505 源泉所得税及び復興特別所得税の納付期限と納期の特例 にあります。
年末調整の超過額(12月に還付しきれなかった分)を、2027年1月に払う給与の源泉徴収税額から差し引いて返す場合は、令和8年分の超過額(防衛特別所得税を含まない)であっても、納付書の「年末調整による超過税額」の欄に書きます(防衛特別所得税のQ&A Q11)。
1月末までの手続き
| 期限 | 手続き | 出す先 | 出典 |
|---|---|---|---|
| 2027-01-31(日)まで | 2026年分の源泉徴収票を従業員に渡す | 従業員 | No.7411 |
| 2027-02-01(月) | 給与支払報告書(1月1日に従業員が住んでいる市区町村ごと) | 市区町村 | 期限の1月31日が日曜のため休日明け |
| 2027-02-01(月) | 法定調書と合計表 | 税務署 | 同上 |
1月31日が日曜なので、源泉徴収票は 前の金曜(1月29日)までに渡し終える 段取りにしておくと慌てません(目安)。
国税庁は、令和9年1月1日以後に市区町村へ給与支払報告書を出した場合、税務署に源泉徴収票を出したものとみなすとしています(No.7411)。税務署に出す分の源泉徴収票の扱いは、国税庁の「源泉徴収票のみなし提出の特例 特設ページ」で確かめてください。
一人担当の段取り表(12月〜2月)
| いつ | 誰に | 何を |
|---|---|---|
| 12月上旬 | 自分 | 給与ソフトのお知らせで、令和9年分の税額表への対応を確かめる。Excelなら、国税庁のExcel版の月額表を取り込んでおく |
| 12月(年末調整の書類と一緒に) | 従業員全員 | 令和9年分の扶養控除等申告書を回収する(配るのは11月) |
| 12月中 | 自分 | ダミーの従業員で国税庁の設例を計算し、令和9年分の表で計算されるか確かめる |
| 12月の最後の営業日まで | 自分 | 1月の予定表を作る(1月12日か1月20日の納付、1月29日の源泉徴収票、2月1日の提出) |
| 1月の最初の給与を確定する前 | 自分 | 扶養の人数を令和9年分の申告書の内容に更新する。支給日と表の年分を確かめる |
| 1月の最初の給与の前 | 従業員全員 | 下の「一言」を送る |
| 1月12日(納期の特例なら1月20日) | 税務署(金融機関・e-Tax) | 源泉所得税を納める |
| 1月29日(目安) | 従業員 | 源泉徴収票を渡す |
| 2月1日 | 市区町村・税務署 | 給与支払報告書、法定調書と合計表 |
1月は、年末調整のあと始末と新しい年の給与が重なります。この段取り表は、一度作れば来年は日付を直すだけで使えます。
従業員に伝える一言(1月の最初の給与の前に)
そのまま社内のチャットやメールに貼れます。【】の中を自社に合わせて直してください。翌月払いの会社は「2027年1月に支払う給与」を「12月分の給与(1月◯日支払)」に直します。
【2027年1月に支払う給与】から、国の「源泉徴収税額表」が新しくなります(令和8年度の税制改正で、基礎控除などが引き上げられたためです)。そのため、給与明細の「所得税」の額が、同じ支給額でも12月までと変わることがあります。計算の誤りではありません。また、2027年から「防衛特別所得税」が所得税と一緒に差し引かれますが、同時に復興特別所得税が下がるため、合計の率は変わりません(国税庁の案内より)。扶養しているご家族に変わりがあった方は、【1月◯日】までに教えてください。
明細を見た従業員から問い合わせが来る前に、伝えておくための文です。
つまずきやすい所
- 翌月払いの会社で、12月分の給与を令和8年分の表で計算する — 2027年1月に支払うなら、令和9年分の表です。表は支払う日で決まります
- 令和9年分の扶養控除等申告書を出していない人を、甲欄で計算する — 甲欄は申告書を出した人に使う欄で、出していない人は乙欄です(税額表のPDF 19ページ「税額表の使用区分」)。1月の最初の給与の前に、回収の漏れがないかを確かめます
- 防衛特別所得税の1%を、税額表の額に足してしまう — 令和9年分の税額表の額には、防衛特別所得税と復興特別所得税の分が含まれています
- 新しい納付書が届くまで納付を待つ — 手元の「源泉所得税及び復興特別所得税」の納付書を、書き直さずにそのまま使えます(Q&A Q15)
- Excelの令和8年分の表を上書きして消す — 2026年中に払った給与を見直すときに使うので、別のシートに残します
- 1月の納期限を例年の「10日」で覚えている — 2027年は1月12日(火)です。納期の特例なら1月20日(水)
一次情報
- 令和9年分 源泉徴収税額表|国税庁(月額表・日額表・賞与の表・電算機計算の特例。PDFとExcel)
- 源泉所得税の改正のあらまし(令和8年4月)|国税庁・PDF(基礎控除・給与所得控除の改正、防衛特別所得税の創設)
- 防衛特別所得税及び復興特別所得税(源泉徴収関係)Q&A(令和8年5月)|国税庁・PDF(Q4・Q7・Q11・Q15)
- 令和8年度税制改正(基礎控除の引上げ等関係)Q&A(令和8年5月)|国税庁・PDF(Q1-1・Q4-1)
- No.2668 年末調整の対象となる給与|国税庁
- No.2505 源泉所得税及び復興特別所得税の納付期限と納期の特例|国税庁
- No.7411 「給与所得の源泉徴収票」の提出範囲と提出枚数等|国税庁
まとめ
- 2027年1月以後に支払う給与・賞与から、令和9年分の税額表。 翌月払いの会社は、12月分の給与から
- 防衛特別所得税が始まっても、合計の率は2.1%のまま。 税額表の額に含まれているので、別に足さない
- ソフトの更新は、ダミーの従業員で国税庁の設例(6,860円)を計算して確かめる。扶養の人数は令和9年分の申告書で更新する
- 1月の期限は 1月12日(納期の特例なら1月20日)・1月31日(日)・2月1日(月)。12月のうちに予定表に入れる
年末調整から1月までの全体の順番は 一人で担当する年末調整2026:10月から1月までの順番 に、年末調整をソフトで回す場合の流れは マネーフォワード クラウドで年末調整をする流れ にまとめています。
更新の記録
- 2026-09-26:扶養親族等の線(変わったのは58万円→62万円だけ)、62万円で数え始めた時期、給与所得控除の最低保障額の年分、納期の特例の7月の期限(2027-07-12)を国税庁の資料どおりに直した。判定の流れ図を足した
- 2026-09-25:作り直し。「何が変わるか」「どちらの表を使うか」「国税庁の設例で見る表の違い」「給与ソフトの確かめ方」「従業員に伝える一言」を追加。税額表の額は国税庁の令和8年分・令和9年分の源泉徴収税額表、改正の中身は「源泉所得税の改正のあらまし(令和8年4月)」と防衛特別所得税のQ&Aで確かめた