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一人経理の経験は転職でどうアピールする?職務経歴書に書く3つの軸と例文

結論

一人経理の経験は「担当した業務の範囲」「仕組みを作ったこと」「専門家と連携して判断したこと」の3つの軸に分け、何を・どこまで・どう回したかを事実で書きます。

3つの軸の中身は次のとおりです。

  1. 担当した業務の範囲 — 月次・年次・そのつどの業務を、どこまで自分で回したか(税理士・社労士に任せた所との線引きも)
  2. 仕組みを作ったこと — ツールの導入や乗り換えは「導入する前 → 選んだ理由 → 移行 → 効果」の4つで書く
  3. 専門家と連携して判断したこと — 迷うものを自分で決めずに、顧問に確かめてきたこと

「何でもやっていました」では伝わりません。何を・どこまで・どう回したかを書き、面接で聞かれうること(広く浅いのでは、チームで働けるか、など)には、この3つの軸の材料で先に答えておきます。

運営者は、従業員10人規模の会社で経理・人事労務を一人で担当してきましたが、管理部門の転職の経験はありません。この記事は、転職支援会社が公開している情報と一般的な書き方の型をもとにまとめ、書き方の実例として運営者の実務の事実だけを使っています。

この記事が役に立つ人

  • 従業員の少ない会社で、経理(と人事労務)を一人で担当してきた人
  • 職務経歴書に何を書けばよいか、範囲が広すぎてまとまらない人
  • 会計・給与・勤怠などのクラウドツールを選んだり、乗り換えたりしてきた人

辞めるかどうかをまだ決めていない場合は、先に 一人経理が休めない・辞めたいときに、辞める前に整理する3つのこと を読むと、この記事の材料(経験の棚卸し)がそのまま作れます。

一人経理の経験は、転職でどう見られるか

転職支援会社の記事では、一人で幅広い業務を回した経験は、強みとして書かれています。

書かれていること出典
幅広い業務の経験は転職で有利で、業務の広さやスピードが評価される可能性があるMS-Japan
多くの業務に対応できることを示せるので、その幅広さを強みとしてアピールできるBEET-AGENT

一方で、転職支援会社の記事には、一人経理の本人が心配しやすいことや、転職の段取りで困りやすいことも書かれています。

本人が心配しやすいこと出典
チームで動く一般的な経理の進め方に、なじめるかジャスネットキャリア
一人で幅広い業務を抱えて、長時間労働になりやすいBEET-AGENT
一人担当なので、思ったとおりの時期に辞めにくい。引き継ぎには短くても2〜3か月かかると考えておくのが妥当MS-Japan

本人が心配していることは、面接でも聞かれることがあります。幅を見せるだけでなく、聞かれたときの答えまで用意しておくのが、一人経理ならではの書き方です。答え方は、この記事の後半の「面接で聞かれうることへの答え方」にまとめています。

軸1:担当した業務の範囲

一人担当の強みは、月次から年次まで、一通りを自分で回したことです。業務名を並べるより、表にして「自分の担当範囲」の列を足すと伝わります。

周期業務の例自分の担当範囲の書き方の例
毎月仕訳の確認、月次の締め、給与計算、経費精算、請求と入金の確認、支払い「月次の締めまで一人で。締めの結果を社長に報告」
毎年決算の準備、年末調整、算定基礎届、労働保険の年度更新「決算整理の仕訳まで担当し、申告書の作成は顧問の税理士」
そのつど入社・退職の手続き、社会保険・雇用保険の手続き「手続きの書類づくりと電子申請まで」

書くときのコツは3つです。

  • 任せた所との線引きを書く。決算や申告を税理士と進めたなら、自分がどこまで担当したか(決算整理の仕訳まで、など)をはっきり書きます。線引きがあいまいだと、面接で聞かれたときに話がずれます
  • 人数と頻度を入れる。「給与計算(◯人分・毎月)」「入退社の手続き(年◯件)」のように書くと、規模が伝わります
  • 経理と人事労務の両方を担当したなら、分けて書く。社会保険の手続きの書き方は 人事労務の職務経歴書:社会保険の手続きの経験の書き方 にまとめています

軸2:仕組みを作ったこと

一人担当は、自分がいないと止まる状態を減らすために、手順書やツールの連携を作っていることが多いはずです。ここが、同じ「経理経験者」の中で差がつく所です。

ツールの導入・乗り換えは4つの型で書く

「〇〇を導入」だけでは、ソフトを触ったことがある人と区別がつきません。なぜ選び、どう移し、何が変わったかまで書くと、仕組みを作れる人だと伝わります。

項目書くこと例
① 導入する前何に困っていたか勤怠をExcelで集計していて、月末の締めに時間がかかっていた
② 選んだ理由何を比べて、何で決めたか顧問の税理士が対応しているか/給与と勤怠が同じシリーズでつながるか
③ 移行何を・いつ・どの順で移したか期首に切り替えた/締め日の翌日から切り替え、1か月は並行して集計を突き合わせた
④ 効果何が変わったか(数字で)月末の締めの作業が◯時間から◯時間に減った

④の数字は、自分の実績だけを書きます。あわせて、次の3点を書くと、判断の中身まで伝わります。

運営者の事実で書くと(書き方の実例)

転職支援会社の例文には、「月次決算に15営業日を要していたのを10営業日まで短縮」(ジャスネットキャリア)のように、効果を数字で書いたものが多くあります。ここでは、運営者に実際にあった事実だけで4つの型を埋めるとどうなるかを示します。事実がない所は、空けたままにしています。

項目運営者の事実
① 導入する前(空欄:困りごととして記録がない)
② 選んだ理由会計ソフトは、顧問の税理士が対応しているかで決めた。マネーフォワード クラウドにそろえた理由は覚えていないので、この行には書かない
③ 移行弥生からfreee会計へは期首に切り替え、開始残高は一度で合った。SmartHRへは在職者だけを移した
④ 効果乗り換えで毎月の作業時間は減った(時間の数字は空欄)
つないだ範囲給与・勤怠・経費から会計へ仕訳が入るようにつないだ
最後の構成会計・給与・勤怠・労務・経費を、すべてマネーフォワード クラウドで統一
費用10人規模で、バックオフィスのツールの合計は月2万円以下
補足:時間がかかっていた作業一人で回していて時間がかかっていたのは、経理・管理会計・仕訳(導入の前か後かは書かない)

表の各行は、それぞれ別の時期・場面の事実です。「弥生→freee→マネーフォワード」と1本の乗り換えの流れには、つなげて書きません。事実どうしを、実際になかった順番や因果でつながないのも、盛らないための注意の一つです。

これを職務経歴書に書くと、たとえば次のようになります。1つの取り組みにまとめず、事実ごとに項目を分けます。

会計ソフトの切り替え・会計ソフトを弥生からfreee会計へ、期首に切り替え(開始残高は初回で一致)

会計・労務ツールの運用・会計・給与・勤怠・労務・経費をマネーフォワード クラウドで統一した構成で運用

ツールの連携・給与・勤怠・経費の各ツールから会計へ仕訳が自動で入るよう連携

ツールの費用・従業員10人規模で、バックオフィスのツールの費用は合計で月2万円以下

※各項目は別の時期・場面の事実

実際の職務経歴書では、時期が分かれている事実は、それぞれの時期の職歴の中に書き分けるのが確実です。

数字がないときは、無理に作らない

効果の数字を測っていなかった、ということはよくあります。そのときは、時間の数字を作らず、「何がなくなったか」を具体的に書きます。

  • 「給与の仕訳を、手で入力しなくてよくなった」
  • 「勤怠の集計を、給与ソフトへ手で写さなくてよくなった」
  • 「残高の突き合わせが、切り替えの初回で一致した」

面接で「どのくらい減りましたか」と聞かれたら、「測っていませんでしたが、◯◯の入力がなくなりました」と答える方が、あとで食い違うより信頼されます。

業務フローのルール化・自動化

ツール以外の仕組みも、同じ4つの型で書けます。

  • 業務フローをルールにして書き出した — 手順書、期限の一覧、承認の流れ。書き方は 業務フローのルール化。運営者が、一人で回してきて「先にやっておけばよかった」と思ったのが、この業務フローのルール化でした
  • 手作業を自動化した — 運営者の場合、自動化していちばん楽になったのは仕訳でした。書くのは「何を自動化したか」と「何がなくなったか」まで。勤務先で作ったコード・設定・データは、職務経歴書にも面接の資料にも持ち出しません

軸3:専門家と連携して判断したこと

一人担当は、社内に相談できる相手がいないぶん、顧問の税理士・社労士・弁護士と連携して判断してきたはずです。運営者も、困ったときに頼った先は顧問の税理士・社労士・弁護士でした。

これは「一人で抱え込む人」という心配への答えにもなります。書くときは、何を自分で決め、何を専門家に確かめたかの線引きで書きます。

書くこと例
相談した相手と頻度顧問の税理士と月1回、社労士とは手続きのつど
自分で決めなかったこと迷う取引の科目・税区分は、自分で決めずに税理士に確かめた
相談の前にしたこと論点を1枚にまとめ、選択肢と根拠を付けて持っていった

相談先の分け方は 一人バックオフィスの相談先:税理士・社労士・弁護士に何を相談するか にまとめています。

職務経歴書のどの欄に何を書くか

経理の職務経歴書は、職務要約・職務経歴・スキル・自己PRで組み立てるのが一般的です(doda)。3つの軸の材料を、欄ごとに振り分けます。

欄書くこと3つの軸のどれを使うか
職務要約会社の規模、一人で担当した範囲、いちばん大きな仕組みづくりを3〜4行で軸1+軸2
職務経歴周期ごとの業務と担当範囲、人数・件数。ツールの導入は1項目として4つの型で軸1+軸2
スキル(使ったツール)会計・給与・勤怠・労務・経費のツール名を、分野ごとに全部軸2
自己PR聞かれうることへの答えを含めて、強みを1つに絞る軸2か軸3

ツール名は、分野ごとに並べると読みやすくなります(例:会計 — 弥生、freee会計、マネーフォワード クラウド会計/労務 — SmartHR、freee人事労務)。

例文(穴埋めで使う)

___の所を、自分の事実で埋めてください。埋められない所は、消して構いません。

職務要約

従業員__人の__業の会社で、経理と人事労務を一人で担当してきました。月次の締め・給与計算・経費精算から、決算の準備(申告は顧問の税理士)、年末調整、社会保険の手続きまでを回しています。__(ツールの導入・乗り換え)を一人で進め、__から会計へ仕訳が自動で入る仕組みを作りました。

自己PR①:範囲の広さを、線引きで見せる

強みは、経理と人事労務の年間の業務を、専門家との役割分担を決めたうえで一人で回してきたことです。__(決算整理の仕訳/年末調整の計算 など)までを自分で担当し、__(申告書の作成/就業規則 など)は顧問の__に任せる線引きを決めていました。御社でも、担当範囲と確認の流れをはっきりさせたうえで、__の業務に早く慣れたいと考えています。

自己PR②:仕組みづくりを、4つの型で見せる

前職では、__(導入する前の困りごと)を解決するために、__(何を基準に)で__を選び、__(いつ・どの順で)に切り替えました。その結果、__(なくなった作業、または数字)。一人でも止まらない仕組みを作ってきた経験を、チームの業務の見直しにも生かせると考えています。

自己PR③:判断の線引きで見せる

社内に経理の相談相手がいない環境だったため、迷う処理は自分で決めず、論点を整理してから顧問の__に確かめてきました。決めたことは__(手順書/判断の記録)に残し、同じ迷いを繰り返さないようにしていました。

面接で聞かれうることへの答え方

一人経理の人が面接で聞かれることがある質問と、答えに使う材料です(出典のある話ではなく、一般的に想定される質問として並べています)。心配を否定するより、材料で具体的に答える方が伝わります。

聞かれうること答え方使う材料
広く浅いのでは範囲の広さに加えて、深く掘った業務を1つ示す軸1(担当範囲の線引き)、軸2(いちばん深く関わった導入や移行)
小さい会社の経験が、うちの規模で通用するか規模に関係なく使える力(仕組みを作る・移行を段取りする)を示す。連結決算や開示のように経験していない業務は、正直に「未経験」と言い、近い経験を添える軸2
チームで働けるか一人でも、専門家や社内と役割を分けて進めてきたことを示す軸3(相談の線引き)、手順書を人に渡した経験
一人で抱え込むのでは/長時間労働が習慣になっていないか業務を書き出してルールにしたこと、外に出した業務があることを示す軸2(業務フローのルール化)
今の会社の引き継ぎはできるのか引き継ぎの資料を作っていること、引き継ぎに必要な期間の見込みを示す期限の一覧・権限の一覧・手順書

引き継ぎの期間は、MS-Japanの記事が、一人経理の引き継ぎには短くても2〜3か月かかると考えておくのが妥当としています(MS-Japan)。引き継ぎの資料の作り方は 一人経理が休めない・辞めたいときに、辞める前に整理する3つのこと の「整理1」にまとめています。

書くときの注意

  • 前の会社が分かる情報は、必要以上に書かない — 取引先名、会社の売上、契約の内容や金額など。規模感としてツールの費用を書くなら「月◯万円以下」のように丸めます
  • やっていないことを、やったように書かない — 補助として関わった業務は「補助」と書きます。面接で深く聞かれたときに食い違うのが、いちばん信頼を落とします
  • 一人で進めたのか、チームで進めたのかをはっきり書く — ツールの導入は、ベンダーや社内の誰と進めたかも添えます
  • 勤務先で作った資料・データ・画面を、作品として持ち出さない — 見せたいときは、一般的な作り方として書き直したものにします
  • 理由を覚えていないことは、作らない — 「なぜそのツールにしたのか」を思い出せなければ、選んだ理由の行は空けて、移行と効果で見せます
  • 別の時期の事実を、1つの流れにまとめない — 時期や場面が違う事実は、項目か職歴を分けて書きます

書いたものを見てもらう先

職務経歴書を一人で仕上げるのが不安なら、管理部門の求人を扱う転職支援に添削を頼む方法があります。管理部門に特化した会社の違いは 管理部門に特化した転職エージェントの比較 にまとめています。

まとめ

  • 一人経理の経験は、業務の範囲・仕組みづくり・専門家との連携の3つの軸で伝える
  • ツールの導入・乗り換えは 導入する前 → 選んだ理由 → 移行 → 効果 の4つで書く
  • 効果は自分の実績の数字で。数字がなければ、なくなった作業を具体的に書く
  • 「広く浅い」「チームで働けるか」「引き継ぎできるか」と聞かれたときは、3つの軸の材料で答える

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